Trocco
もう知っているんだ 君の瞳がこっちを向いていない事なんて
視線の向こう 振り返ってしまった 振り返らなければよかった
言葉を交わせば 心が紅に染まるんだね
見えてしまう 透けるように頬も色付いて
君の気持ち どんな小さなことだってずっと見つめていて
こんな重大なこと気付かなければよかった 気付かないわけなかった
触れた肩先からありたっけの言葉を伝えているんだね
聞こえてしまう その声が指先から放たれるのさえ
君を乗せたトロッコが闇の奥へと加速する
そっと僕は背を向けて目をつむる
見たくない 見なくたってもう戻ってこない
線路がきしむ音がこだまする
聞こえなくなるまで 全て吸い込まれてしまうまで
朝なんて来ない 君のいない世界なんて意味がない
太陽が照ったって光の色さえわからないまま
時間は戻らない 君のいない時間は進まない
カレンダーめくたってあの日から動かずじまい
終着駅で 来る筈のないトロッコを待ち続ける
終着駅のある筈のないレールをトロッコは走り続ける
すれ違う術のないまま 同じ場所を行ったり来たりまるで玩具で
夜は明けずに 月は冷ややかに笑う
あとがき。
安岡さんイメージです。
第三者を一定期間観察して(人聞き悪い)
それがきっかけでできた詩です。
こんな痛いのを書くたび
何故かニヤリとするアホです。
(痛さが伝わればいいのですが)
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