Tapestry



    



星も見えない空にただ ぼんやりと浮かんだ月に
ふとあなたを重ねる
あなたもどこかで 空を見上げているでしょうか


雲の向こうの空高くには たくさんの星が生まれ 消え
引かれあい近づいて 重なったかと思えば 離れていく
数え切れないほどの出逢いと別れを繰り返して

広い宇宙の中で 僕と君はめぐり逢ったのだと
今さら実感する


遠くに煌く星に気付いてほしくて 僕は身を焦がして

いつの間にか惹かれあって いつしか重なって
ずっと僕の隣にいてくれると



思い過ごしだったね
僕たちが幸せに過ごした季節は
銀河の中ではほんの一瞬に過ぎなかった
僕たちには廻るべき道があって
惹かれあい出逢ったのは 本当に偶然そのもの


君が遠くに 遠くに行ってしまっても
銀河はひたすらめぐり続ける
どんなに悲しみに沈んでも
季節は変わり 時は繰り返す

毎日 日が昇り 月は地を照らす



雨が降り 風が吹き荒んで 雲が光をさえぎっても

遥か彼方では惑星がめぐりどこかでまた星が消えて
そんな事にも気付かずに また誰かが出逢いと別れを重ねて



全てがつらなって 世界が動き出す


しばらくすれば月は去り また朝が来るんだろう

また僕はいつも通りに歩き出す


いつかもう一度 君とすれ違う事があっても
僕も 君も 立ち止まりはしないだろう
懐かしい香りが胸を吹き抜けても

ただ前に続く道だけを見つめて
涙が溢れる あの日はもう返らないけれど

君という星は僕の中で輝き続ける
僕もまた誰かを照らせるように
もう悲しい思いをさせないように




あとがき。
「街角」発売記念であります。
酒井さんがイメージです。日本最後のサムライ。
冷静かつ情熱的なイメージがあります。
題名の「Tapestry」は大好きなキャロル・キングの曲名から頂きました。
とても良い曲なので機会がありましたら是非聴いてみて下さい。
読んでくださってありがとうございました。
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